株初心者でもテンバガーは狙えるのか！？

はじめに

株式投資において「テンバガー」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。テンバガーとは、株価が10倍に成長する銘柄を指し、投資家にとっては非常に魅力的な存在です。初心者であっても、運やタイミングがあえばテンバガー銘柄に出会うことは可能です。しかし、株価が10倍になるまで持ち続けることは、簡単なことではありません。

本記事では、テンバガー銘柄を引き当てることが可能である一方、それを持ち続けることがいかに難しいかを解説していきます。

テンバガー銘柄を引き当てることは可能か？

結論として、テンバガー銘柄を引き当てることは可能です。成長市場や有望な企業に投資することで、長期的に株価が大きく成長する可能性があります。これは、初心者であっても不可能ではありません。ただし、テンバガー銘柄に出会ったとしても、その株を10倍になるまで持ち続けることはまた別の話です。

テンバガー銘柄を持ち続けることが難しい理由

テンバガー銘柄を引き当てることが可能であったとしても、それを持ち続けることが非常に難しい理由がいくつかあります。多くの投資家は、株価が上昇すると途中で売却し、利益を確定したくなるため、結果として10倍になる前に手放してしまうことが多いです。

1. 利益確定の誘惑

例えば、株価が20%や30%上昇した時点で、利益を確定させたくなるのはごく自然な心理です。誰でも利益が出ているうちに確定させて損を防ぎたいと考えます。さらに、株価が50%や100%上昇すると、その利益を失うことを恐れて、売却を考える投資家が増えます。過去に利益を確定できずに大きな損失を出した経験があると、その恐れは一層強まります。

実際には、こうしたタイミングで利益を確定することで、テンバガーを達成できずに終わるケースがほとんどです。10倍になるまで保有するためには、短期的な利益確定の誘惑に打ち勝つ必要がありますが、それは容易なことではありません。

2. 長期間保有することの難しさ

株価が10倍になるには、短期間で達成されることはほとんどなく、長期にわたって持ち続ける必要があります。これは、数年から10年以上かかることが一般的です。この間、株価は必ず上下し、時には大きな下落を経験することもあります。こうした下落に直面すると、パニックに陥り、売却してしまうこともあります。

また、株価が急落した際、企業に対する信頼を失い、「もうこれ以上の成長は期待できない」と感じてしまうことも多いです。テンバガー銘柄を見つけることができたとしても、長期的な視点を持ち続け、短期的な株価の変動に惑わされない強い忍耐力が求められます。

持ち続けるための「忘れる」という考え方

テンバガー銘柄を持ち続けるためには、**「持っていることを忘れるくらいの余裕資金」**で投資を行うことが非常に重要です。ここで、仮に資産の10%を投資するというケースを考えてみましょう。

10%の投資でも気になってしまうのが現実

資産の10%を投資するというのは、一般的には十分にリスクを抑えた投資額とされています。たとえば、1000万円の資産を持つ人が、そのうちの10%である100万円を投資したとします。この金額であれば、リスクをコントロールしつつ、余裕を持って投資を行っているように思えるかもしれません。しかし、実際には、その株価の変動が気になってしまうものです。

たとえ余裕資金であっても、資産の10%という金額は、多くの人にとって大きな額であり、株価の上下が気になってしまいます。特に株価が急落した際には、その不安は強まり、「今すぐ売って利益を確定させたほうが良いのではないか」という思いに駆られるでしょう。

忘れることができる投資額は人それぞれ

忘れることができる投資額というのは、人それぞれ異なります。例えば、資産が1000万円ある人にとって、10万円や数万円程度の投資額であれば、その金額がどうなっているかを気にすることなく、長期間持ち続けることができるかもしれません。また、資産が100万円の場合、1万円程度が「忘れられる額」になるかもしれません。投資額が大きすぎると、どうしてもその動向が気になり、短期的な売買を繰り返してしまうリスクが高まります。

10%はリスクを抑えているが、それでも株価は気になる

もちろん、資産の10%で投資を行えば、全額を投資するようなリスクの高い行動に比べて、リスクは大幅に抑えられています。自己資金の100%を投じている人よりは、メンタル的にも安定しているでしょう。それでも、株価が上下するたびに、その投資が気になるのは避けられません。テンバガーを狙うためには、リスク管理は重要ですが、持ち続けるためには、その投資が気にならない額に設定することが鍵となります。